ただの思い出語り

d:id:ohnosakiko:20090206:1233931403「レポートコピペ問題の問題」を読んで、昔のことを思いだしました。私が学生だったころは、インターネットがさほど育ってなかったから、こういう問題は今ほど深刻ではなかったのだけど、それでも本や先輩のレポートを写したりするってことはあったんですね。昔の学生も、やる気のない人間はどうにかして楽をしようとしていたわけで、そんな中、私はレポート代筆で小遣い稼ぎをしていました。

ぼろかった。原稿用紙で5枚程度、あれ、もうちょっと多かったかな。いずれにせよ、小一時間で書ける程度の分量で、私の相場は400字を500円で売ってたんだったかなあ、一時間で三千円くらいになって、しかもそれを別の授業中にやっていた。ひどい。とったことのない講義のレポートも書いて、お金のない、今もないけど、そんな若い日々、学期末はちょっとした書き入れ時であったのです。

でも、これをやっていたのは一年ちょっとで、三年生から研究系の学部に移ったのを機に、代筆家業は廃業したのでした。

私の通っていた大学はちょっと特殊だったから、講義に力を入れない学生も多かった。金を払ってもいいから書いてほしい。あるいは単位が欲しい。今そうしたタイプの学生は、インターネットで検索して、コピー&ペーストでやっつけるんでしょうね。

三年の冬だったかなあ、私が代筆をやっていたことを知った人間が、もうやめたといってるのに、書いてくれ書いてくれと頼んできて、きっぱり、代筆はもうやめた、自分で書きたまえ、そういったら、じゃあ参考に私だったらどう書くか書いてみてくれないかっていわれて、いや、そりゃどう考えてもおかしいだろう。なに考えてるんだ。当然断わりました。他にも、レポートを書くんだけど、手伝ってほしいといわれて、それで図書館にいったら、そこからなにも進まない。課題に対してあんたはどう思ってるのさ、そう聞いても答えが返ってこない。わからへんねん。って、それじゃ私もわからへんよ。それで一日目は終わって、二日目も依頼されたんだけど、さすがに無理、断わった。その様子を見ていた友人からは、いかな私でもさすがにあれじゃ頼まれないよねって笑われて、そうか、そんなにちょろそうだと思われてたか。でもまあ、あれで少しでも進んだら、ちょっとは楽しい思い出になったかもは知らんよね。可愛い人だったから、ちょっと好きだったものだからなおさら。とまあ、どうでもいい話。

コピペ問題を解決するには、その場で書かせるという他にないような気がします。そういえば、図書館学のレポートを私はインターネットに公開しているんだけど、あれもきっとあちこちでコピーされているんだろうなあ。知の共有とは素晴しいことであるけれども、そう素朴に喜んでばかりいるわけにもいかんのだなあ。ともあれ、今も昔もさぼりたがる学生はいて、要領のいい人間は楽していい点とったりして、あれでは力が付かないから、きっと将来苦労するに違いないぜ、なんて憎まれ口をきくのだけれども、それが要領の悪い人間のやっかみだというのは自分でよくわかっています。要領のよさ、それもまた才能だから、その才能を枯渇させず、ただ育てていける人間は、ずっと要領よくいくんだろうなあ。

う、羨ましくなんてないんだからねっ。