#9で梓が泣いたのは

月末にセットトップボックスを返却することになって、ともない録画されている番組も回収されるはこびとなって、NHKの趣味講座のウクレレ全話、ギターの前半分、『けいおん!』地上波の前半、『けいおん!』BSの1話2話、『今夜も生でさだまさし』の盛岡と長野、これらをすべて失うのは正直すこしもったいない。i.Linkケーブルなど買ってきて、Toshiba REGZAのハードディスクにうつせないか試してみたけど、移せなかった。でも、テレビ番組というものは、本来見てそのまま消えていく。記憶、思い出に残るそれがよすがといったものでしたから、失うことをことさらに悲しむことはないのかも知れません。

でも、『けいおん!』がしばらく見られなくなるのは残念だったので、こないだ、ちょっと見てみたんですよ、1話。なんかすごく懐かしい感じなの。唯がもうどうしようもない感じにふわふわで、それで軽音部への入部届は書いたけど、やっぱりやめるっていいにいく、そのくだりのもたもた感なんかもとてもよくて、そして期待させてごめんなさいといって泣く。それから、三人による演奏。ああ、あの下手くそに弾いている『翼をください』。この雰囲気、最高だなって思って、それでわかったような気がした。ああ、#9で梓が泣いたシーン。原作にはなかったシーン。これは、#1のリフレインだったんだ。泣いた理由は違うけれど、軽音部でやっていけないかも知れない、やめよう、そういおうとする場面で泣いて、それに演奏で応えるという、その流れはやっぱりよかったなと思ったのでした。

#1ではばっさりと、#9でも、彼女らはあんまりうまくないと評されたのだけれど、それでも演奏するみなはとても楽しそうで、そこにひきつけられるのだと、そうしたことがよく伝わってくる場面でした。気のあう仲間がいれば音楽はこんなにも楽しくなるのだよと、そうしたメッセージのようなものが感じられるようにも思ったのでした。

ああ、私にも仲間がいたらな。そんなことも思ったのでした。ああ、ひとりはもう寂しいよ……。